俺様上司は、極上の男!?
課長は無表情だった。
まるでいつもと変わらぬ様子が、かえって彼の意思の固さを感じさせた。

当然、櫟課長のような人が私情だけで仕事を変更するとは思えない。私のサポートを離れたのは、時期的に偶然だろう。
それでも、唯一の接点をあっさり解消されたことは痛い。

この案件で関わるまでの2ヶ月、私はほとんど課長と接することがなかった。
その状況に戻ったわけだ。


私からどれほど接点を求めても、おそらく二人きりになって話をする機会は訪れない。
せいぜいオフィスで上司と部下として一言二言、仕事の相談や許可を求める程度。


櫟課長と話をしたい。

できれば、以前のように。

だけど、彼は自分からは接してこなくなり、私には機会がない。

どうしたらいいんだろう。



リリさんが美しく微笑み、ポージングをする。
私はそれをぼんやりと眺めていた。

心ここにあらず。
こんなことじゃいけないのに。









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