俺様上司は、極上の男!?




ファミレスで櫟課長の元同僚と別れ、私と彼は二人、オフィスに向かって歩いていた。

気まずい。そして空気が重い。

それもこれも、人の会食に乱入した私が悪いんだけど。

昼下がりの恵比寿。

人通りは多く、私が歩幅を大きくしなければ、櫟課長とはぐれてしまう。
強く地面を蹴って急いで並ぶ。


「こうして二人になるのは久しぶりだな」


櫟課長が口を開いた。
私は頷く。そして先ほどの非礼を詫びた。


「大切なお話に割り込んでしまい、申し訳ありませんでした」


「いや、いい。どちらにしろ断るつもりでいた」


私が顔をあげると、櫟課長は前方を遠く見据えていた。


「少し前に話は聞いていた。千葉工場の元メンバーの何人かが集まって小さなアパレル会社を立ち上げたこと。俺も誘おうとしていること」
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