俺様上司は、極上の男!?
すると、課長の手が私の両肩をつかんだ。


「痩せた」


思わぬ言葉にぎくりとする。

確かにここ最近、前以上に忙しいせいか、睡眠も休養も足りていない。
食事もおざなりだった。
そのうえ、急遽決めたアメリカ出張。自分でもやつれたようには感じていた。


「おまえ、自分が前科アリだってのを忘れているだろう」


「前科って……風邪のことですか?もう、大丈夫です。体調くらい自己管理できます」


「真性のバカだな」


櫟課長の声にめずらしく感情がこもっていた。怒りと……あとはなんだろう、この異常な不機嫌は。

私がおそるおそる顔をあげると、存外近いところに櫟課長の顔があった。

鼓動が一気に加速する。
切ない距離と、久しぶりに近づけた嬉しさで、胸がつまる。
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