俺様上司は、極上の男!?
終章
5月。
ムドラのアジア向け新シリーズの発表会見と、イベントレッスンは新宿の大きなフィットネスクラブを借り切って行われた。
60名収容できるAスタジオには、専門誌と店頭の募集から抽選で当たったラッキーな参加者たちがひしめくようにレッスンを受けている。
リードをとるのはリリさん。
アサナはウォーリアー2から1、バランスと調整力が必要な3へ移っていく。
美しく鍛え抜かれた身体で洗練されたアサナを見せるリリさん。
参加者たちは、よろめき苦笑いしながらも、楽しそうに集中力高くレッスンを受けている。
私と櫟課長は、スタジオの外からその様子を眺めていた。
「これで一区切りだな」
櫟課長が私の方を向いて言った。
私は首をぱきっと鳴らし苦笑いする。
「秋のリリースまで、まだやることは盛り沢山ですけどねぇ」