俺様上司は、極上の男!?
私はむせび泣きながら、床に突っ伏した。

ふと、気配を感じる。
顔をあげると、私の前にひざまずいた櫟課長がいた。

櫟課長の右手がひやりと私の頬をに触れた。


「続き。泣けよ」


「課長……」


「泣いて化粧が落ちた太刀川の顔がもっと見たい」


意地悪な言葉と笑みに、コノヤロウと思いながら、苦しさに抗えず、私はそのまま泣いた。
不細工に顔をくしゃくしゃにして、わんわん声を上げて泣いた。

やがて、柔らかな感触が全身を包む。課長が私を抱き寄せたのだ。

唇が自然に重なった。
彼の唇は見た目の印象と違い、温かい。
驚くより、安心する。


「太刀川、おまえの中の最低男のランキングを更新してやるよ」


え?
と思う間もなく、櫟課長が私の肩を押した。そのまま絨毯の上に倒される。
乱暴ではなかった。
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