俺様上司は、極上の男!?
「自意識過剰再びだな。おまえを押したのは俺じゃない。中尾さんだ。中尾さんの人選ならそれで合ってる」


年上部下に対する敬意なのか、櫟課長は私で異存ないみたい。

受けたからにはきっちりこなしたい。

でも、私が圧倒的に経験値不足なのも事実。


「中尾さんは太刀川にできると判断したんだろ。先輩に見込まれたことを素直に喜んで励め。困ったら、周りに聞け。おまえの周りの人間は信用できるはずだ。一応、俺もいる」


この人の言い分は丸投げしているわけではない。
突き放しているように聞こえても、仕事や第2グループに対する信頼はあるみたい。
ただの仕事嫌い男じゃないんだ。


「かなり細かいことまで、いちいち聞きながら進める感じになりますけど、いいですか?」


「独断先行でバカやるより、よっぽどいい」


「頼りにさせていただきます」


櫟課長が好きではないらしいワインをぐいっと飲み干す。
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