俺様上司は、極上の男!?
「うちの社内では、誰もそんなこと言ってませんよ?」


彼は今の打ち合わせ中だって、気配を消し、地味上司に徹していた。
単純に顔なら誉めるところもあるかもしれないけど、沈鬱な表情を張り付けた男をわざわざ誉める?


「太刀川サン、一緒に仕事してて気付かないの?超カッコイイじゃん。顔、スタイル、色気。わざと地味っぽい雰囲気醸し出してるけど、あれは極上のメンズだよ?」


リリさんがふふんと笑う。
どうやら、このお姉さん、課長の裏の顔も見通して言ってるみたい。
経験値が高い人にはわかるのかしら。
さすが、36歳、バツイチ色女は違うぜ!


「試しに飲みに行ってみなよ。会社では見せないイケナイ顔がたくさん見られちゃうかもよ?太刀川サン、フリーなんだし」


もう、見ました。

……とは言えない。


「じゃあ、リリさんは櫟課長、どうですか?」


はぐらかそうと、聞き返してみる。
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