俺様上司は、極上の男!?
「すごいな、その自意識。俺を暇人のストーカーとでも思っての発言か?」


迂闊過ぎる発言だった。
思い上がりも甚だしい。


「あいつ、合同建設の営業だろ?太刀川が顔色変えて外に出てったから、もしかして……とな。中々、戻ってこないし、またここで油を売ってんのかと思ったら当たった」


私は歯噛みしながら、うつむく。

情けない。
ものすごく情けない。

見られたくないところを、見られたくない相手に見られてしまった。


「すみません、油を売ってないでフロアに戻ります」


櫟課長が行く手を遮るように、左手を壁についた。
ドアは彼の身体の後ろだ。


「また慰めがいる?」


私は首を横に振った。


「いりません」


「そう……でも、俺は褒美をもらおうかな」

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