俺様上司は、極上の男!?
最近は、櫟課長のタチの悪い冗談に真顔で応戦することにしている。


「帰ります」

「ダッシュで帰ります」

「家でジョニーウォーカーのウィスキーボトルが待っているので、帰ります!」


基本拒否ですわ!

一回ヤれたからって、ホイホイ何度もヤれると思うなよ~。
こちとら、甘いお言葉に流される可愛い女じゃないんだよ!

ま、私が拒否しても、櫟課長はさっぱり堪えず、ケラケラ笑っているだけだけど。

たぶんあの人、私をからかって楽しんでるんだ。

社内では幽霊みたいに過ごすつもりだったのかもしれないけれど、面白いおもちゃが見つかったから、遊んでやれ……的な。

イイ迷惑!

でも、最初に彼の腕に頼ったのは私の方だ。
弱味は充分、こっちにある。

今できることは、この初メイン担当をきっちりこなして櫟課長を見返すこと!そして、セクハラまがいのちょっかいをことごとく受け流すこと!

よっし!明日も仕事とセクハラ避け頑張るぞっ!

私は気合いを入れて、でも、指先は優し~くメイクを落とした。
まだお肌の張りくらいは保っておかなきゃ。




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