俺様上司は、極上の男!?
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業務開始は9時15分。
毎朝の簡単なミーティングを済ませると、私と櫟課長はもう外出だった。
今日はアパレル製造会社に向かう予定。
アイテムの種類や数については、ムドラ側から指定がある。デザインはまだ決定していないけれど、指示のアイテムを共同製作できるアパレル製造会社が要る。
三社にあたり、そろそろ一社に選定しなきゃいけない。今日は本命の一社と見積もりを付き合わせて打ち合わせだ。
「つぐみセンパァイ」
デスクの荷物を鞄につめていると、左隣から小花が声をかけてくる。
「今夜も遅くなるんスかぁ?」
ショートカットにやせ形の鮫島小花は、体育会系の後輩っぽいしゃべり方も相まって、ものすごく幼く見える。
中学生に間違われたこともあるそうだ。25歳にもなって。
「たぶんね」