良い子とは呼ばせない
「ここだよ!ここ!」



声のする方向を目で追うと、中庭で一番大きな木の上にまどかが座っていた。



「こんなとこにいたの?まどか、数学の授業も途中で抜け出したでしょ」



そう呆れながら木の下に向かいまどかを見上げた。
近くでみると、まどかはかなりの高い位置にいることが分かった。
校舎の3階に届きそうな高さだ。



「凄く気持ち良いんだよ」
と反省のそぶりを見せず笑うまどかにつられて、私も自然と笑顔になる。



いつもはここで、先生代わりに私が説教するのだが、口から出た言葉は全然違うものだった。



「まどかはいいなあ」
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