良い子とは呼ばせない
「桃ちゃんは真っ直ぐな大人になったらいいんだよ」
まどかの言葉が、心地よい風に運ばれて私の耳に届く。
思いがけない台詞に私は、まどかの小さな顔をじっと見つめた。
「桃ちゃんなら、真っ直ぐな大人になれる。みんなはなかなかなれないけど、桃ちゃんはきっと大丈夫」
まどかは足をぶらぶらと揺らしながら、夏の真っ白な入道雲に向かって言った。
無理だよ、私はちっとも真っ直ぐなんかじゃない――
そう言おうとしたとき、廊下にいた保護者の1人が私達に気付いて大騒ぎとなった。
まどかの言葉が、心地よい風に運ばれて私の耳に届く。
思いがけない台詞に私は、まどかの小さな顔をじっと見つめた。
「桃ちゃんなら、真っ直ぐな大人になれる。みんなはなかなかなれないけど、桃ちゃんはきっと大丈夫」
まどかは足をぶらぶらと揺らしながら、夏の真っ白な入道雲に向かって言った。
無理だよ、私はちっとも真っ直ぐなんかじゃない――
そう言おうとしたとき、廊下にいた保護者の1人が私達に気付いて大騒ぎとなった。