良い子とは呼ばせない
ほとんどのペンキを使い終え、私は放心して床にぺたんと座り込んだ。


まだ乾いていないペンキが服についたのがわかったが、今さらどうでも良かった。



私は、教室の床一面に広がる名もなき絵を、ぼうっと眺める。



そんな私を、床に描かれた黒い私が、じっと見つめ返してくる。
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