良い子とは呼ばせない
「忘れないよ」



まどかは穏やかに言う。



「あれを見たとき、桃ちゃんって自分にとても正直な子なんだな、って思って好きになった。私はよく嘘ついたりしちゃうから、桃ちゃん凄いって思った。今もだよ」



そしてまどかは、
私の大好きなあの言い方で、
気持ち良いほどに潔ぎ良いあの言い方で、
私に言ってくれた。


「だから桃ちゃんは、真っ直ぐな大人になれるよ」
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