先輩しかもう見えないんだよ…



「愛してるんだよ」




俺が言うと、矢萩はニッコリ教師の笑顔では無く、一人の男として笑った





「見てたら分かるっちゅうねん、鈴木ずっと中原みてるやん、バレバレ」




バ、バレバレ…ι




そんなに見てたのか、と思うと体が暑くなった。




「中原を幸せにできるのはお前や鈴木。
泣かせたら許さんからな」




「わかった」




不思議と足が駆け出していた。

大好きな走ることも、今はダイダイ大好きになれる。




彼女の事を考えれば、憂鬱も心が爽快になる。




いつからか、
いや、初めから
俺の真ん中にいつも
彼女がいたんだ。





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