先輩しかもう見えないんだよ…

一瞬の風





「中原さん!」




気付くと、中原さんの前に立っていた。

なんで場所がわかったんだろう?




ハハッ愛かな




中原さんは体育観の前にあるベンチに恵ちゃんと座っていた。





わぁ!!
先輩だ…




息を切らした先輩は、真っ直ぐにあたしを見ていた。




「ちょっと中原さん借りるね?!」




「え、うん?」




グイッ

へ?




先輩の手がしっかりあたしの腕を掴んでいて、ものすごいスピードでグランドを駆け抜けていく




まるで、一瞬の風になったようだった




「ハァ…ハァ…ハァ」




二人とも息を切らして、地面に座り込んだ。




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