先輩しかもう見えないんだよ…



ここは…




全く使わない第2理科室の前の廊下

日の光さえも遮っていて真っ暗。




「ハァ…ハァ」




あたしと先輩の吐息が廊下に響いている




夢なら、覚めないで…




今こうして先輩と二人きりなんて、きっとこれから何もないだろうから…




「…ごめん、疲れたな(笑)」




「いえ…ハハッ走るのも結構いーですね」




「だろ?」




座り込んだ先輩との距離が暗くてなかなか見えなくて、やっと目が慣れてきた




「!!」




ドクン…ドクン…




先輩との距離はあまりにも近すぎた




手を少しでも動かせば先輩に触れてしまうだろう





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