先輩しかもう見えないんだよ…



鈴木……




「そう、だからゴメン」





矢萩は残念がると思ったのに、全然その気はないようだ。




もっと悲しめばいいものを…




「…そうか、まぁ無理だろうけど頑張れよ!」




あっさり振っちゃったけど、なんか府に落ちないι




いーや、
鈴木って言う人から目が離せなくなったんだ。





「今日は帰ってええ、授業中上の空はやめろよ?」




矢萩はそれだけ言うと教室から出ていった。




「…ハイハイ……」





むなしく声が教室に響いて、またセミが泣き出した。





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