先輩しかもう見えないんだよ…
教卓に立った矢萩はいきなりあたしをガン見ι
バカじゃないの?
「好きだっ!じゃなくて起立っ」
『えぇえー!?』
矢萩の妙なテンションに教室中から荒げた声が飛んできた…
いつもの矢萩じゃない…
「中原と矢萩」
放課後には学年中、いや、全校生徒にそんなありもしない噂が流れた。
「いやぁホンマすまん」
ミーンミンミン…
「バッカじゃない?」
今日も放課後教室に残る。今日はあたしが矢萩の説教。
「ほんとすんません」
深々と頭を下げる矢萩をよそにあたしは窓の外から見えるグランドを
綺麗に走る
鈴木先輩を見ていた。