腹黒王子の取扱説明書
9、公私混同 ー 俊side
「それで、兄さんは一体何を企んでるのかしら?」
次の日の午後、社内報で麗奈の人事が発表されると、定時過ぎに杏子が珍しく俺のところにやって来た。
彼女が来ることは予想はしていた。
突然の人事だし、しかも親友が俺の秘書になるのだから。
「何も企んでいないよ」
ちょうどデスクで仕事をしていた俺は書類から目を上げ、涼しげな顔で答える。
「麗奈を兄さんの秘書にして囲い込んでどうする気?いくら麗奈を気にいったとはいえ、公私混同してない?」
目を細めながら杏子が俺を見据える。
公私混同……まあ、杏子の前では決して認めないがそうだろうな。
「僕ってそんなに信用ないかな?須崎一人に結構負担がかかっていてね。中山さんが適任だと思ったんだ」
俺は手を組んで杏子に向かってにっこり微笑み、もっともらしい言い訳を口にする。
「秘書課から選ばず、どうして総務課から?」
次の日の午後、社内報で麗奈の人事が発表されると、定時過ぎに杏子が珍しく俺のところにやって来た。
彼女が来ることは予想はしていた。
突然の人事だし、しかも親友が俺の秘書になるのだから。
「何も企んでいないよ」
ちょうどデスクで仕事をしていた俺は書類から目を上げ、涼しげな顔で答える。
「麗奈を兄さんの秘書にして囲い込んでどうする気?いくら麗奈を気にいったとはいえ、公私混同してない?」
目を細めながら杏子が俺を見据える。
公私混同……まあ、杏子の前では決して認めないがそうだろうな。
「僕ってそんなに信用ないかな?須崎一人に結構負担がかかっていてね。中山さんが適任だと思ったんだ」
俺は手を組んで杏子に向かってにっこり微笑み、もっともらしい言い訳を口にする。
「秘書課から選ばず、どうして総務課から?」