腹黒王子の取扱説明書
この拷問のような状態はいつまで続くの?

一時間?それとも二時間?

私が黒服のお兄さんを呼んでシャンパンを頼むと、スケベ親父は私に身体を密着させてきた。

やだ、気持ち悪い。

鳥肌が立ちそう。

こんな男から早く離れたいのにそれが出来ないのが悔しい。

誰でも良いから、他のお客さんからの指名が来ないだろうか?

でも、バイトだし接客が苦手な私を指名してくれる客なんて滅多にいない。

スケベ親父が私に何か話しかけるが、私は曖昧な返事しか出来なかった。

早く終わって欲しい。

早く家に帰ってシャワー浴びたい。

ひたすら願う。

シャンパンが運ばれてきて乾杯すると、スケベ親父はさらに密着してきた。

彼の吐く息が私の頬にかかる。

くさ~い‼

私は顔を背けた。

すると、スケベ親父は何を勘違いしたのか、私の胸に触れニヤニヤ笑う。
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