腹黒王子の取扱説明書
そして、そのまま私の唇を奪った。

俊の胸板を何度も叩いたが彼は止めない。

私をどこか罰するかのような荒々しいキス。

俊の唇を噛んだその仕返し?

そんな事を考えていると、彼が急に私を解放し忌々しげに呟いた。

「隙を見せるからだ」

ええー?私が悪いわけ‼

俊の言葉に憤慨する。

でも、私はこの時気づかなかった。

怒り心頭に発していて、スケベ親父の事はすっかり忘れていたことに。
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