腹黒王子の取扱説明書
「頭痛がするって言って抜けてきたんだ。どうせ下らない話だし、須崎も置いてきたしね。麗奈は泣いてたし、素直に秘書室に戻らないって思った」
……この勘の良さ。
医務室じゃなくトイレにでもこもってれば良かった。
「麗奈の涙が気になって会議どころじゃなかった」
俊が私に近づき、右手を差し出して私の頬にそっと触れる。
心臓がドキンとした。
俊の瞳から目を逸らせない。
彼の目が真剣で、いつになく本心を告げているような気がする。
ううん、騙されちゃいけない。
「まだ目、腫れてるね。それじゃあ、まだ人前に出れない。行くよ」
俊が私を椅子から立ち上がらせ、手を掴む。
「行くってどこに?」
「もうすぐお昼だし、外に食べに行くよ。人目を気にしないですむ良いとこがあるんだ」
私の手を掴んだまま俊が歩き出したが、私は立ち止まった。
……この勘の良さ。
医務室じゃなくトイレにでもこもってれば良かった。
「麗奈の涙が気になって会議どころじゃなかった」
俊が私に近づき、右手を差し出して私の頬にそっと触れる。
心臓がドキンとした。
俊の瞳から目を逸らせない。
彼の目が真剣で、いつになく本心を告げているような気がする。
ううん、騙されちゃいけない。
「まだ目、腫れてるね。それじゃあ、まだ人前に出れない。行くよ」
俊が私を椅子から立ち上がらせ、手を掴む。
「行くってどこに?」
「もうすぐお昼だし、外に食べに行くよ。人目を気にしないですむ良いとこがあるんだ」
私の手を掴んだまま俊が歩き出したが、私は立ち止まった。