腹黒王子の取扱説明書
「お一人でどうぞ」

「麗奈が歩かないならお姫様抱っこしていくけど、自分で歩くのとどっちがいい?」

俊が悪魔のような微笑を浮かべる。

もう、ちょっとは人の言う事聞いてよ!

全然反省してないよね?

私が俊を睨み付けると、彼は突然私を抱き上げた。

「時間切れ」

「え?ち、ちょっと!何するんですか!こんなの恥ずかしいです!下ろして下さい!」

会社でこんな目立つことまたしないで欲しい。

私が俊の腕の中で暴れると、彼は恐ろしい事を言った。

「抵抗すると、食事じゃなくてうちまで連れて帰るけどそれでいいの?」

……この強引さ。

何も変わってないよね。

「全然反省してないじゃないですか!もっと殊勝な態度はとれないんですか?」

私が食ってかかると、あっさりかわされた。
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