腹黒王子の取扱説明書
「放置してそのまま帰ろうとも思いましたけど、私も一応看病してもらったし……借りを返したかったんです。それに、何か弱味を握れればって思って。やられっぱなしでは癪ですから」
麗奈が俺を見て悪戯っぽく笑う。
彼女がこんな風に笑える事にまず驚いた。
いつも怒らせてばっかりで……こんな笑顔見た事なかったな。
「律儀な性格」
俺は独り言のように小さく呟く。
だが、麗奈には聞こえていたようだ。
「よく言われます。それで…何か食べられそうですか?」
「ああ」
「じゃあ、作ってくるので待ってて下さい」
にっこり笑って麗奈が部屋を出ていく。
あんなに俺の顔を見るのも嫌がってたのに、どういう心境の変化だろう?
弱い者を見ると放っておけない質なんだろうか?
それなら、しばらく辛い振りをしてみるか。
他の男でも弱っていたら同じ事をする?
そう思うと胸の中がモヤモヤする。
麗奈が俺を見て悪戯っぽく笑う。
彼女がこんな風に笑える事にまず驚いた。
いつも怒らせてばっかりで……こんな笑顔見た事なかったな。
「律儀な性格」
俺は独り言のように小さく呟く。
だが、麗奈には聞こえていたようだ。
「よく言われます。それで…何か食べられそうですか?」
「ああ」
「じゃあ、作ってくるので待ってて下さい」
にっこり笑って麗奈が部屋を出ていく。
あんなに俺の顔を見るのも嫌がってたのに、どういう心境の変化だろう?
弱い者を見ると放っておけない質なんだろうか?
それなら、しばらく辛い振りをしてみるか。
他の男でも弱っていたら同じ事をする?
そう思うと胸の中がモヤモヤする。