腹黒王子の取扱説明書
16、安眠 ー 俊side
二時間半かけて病院にたどり着くと、麗奈の弟に携帯で病室の番号を確認して病室に向かった。
麗奈は緊張した面持ちで何もしゃべらず、カツカツという彼女のヒールの音がただ廊下に響く。
彼女の父親の病室はICUでも個室でもなく四人部屋だった。
扉は開かれたままで、窓側のベッドの脇に麗奈の弟が立っていた。
俺達の姿に気づくと、彼は俺に向かって軽く会釈する。
「俊さん、会社もあるのにすみません。姉を連れて来てくれてありがとうございます。父さん、姉さんが来たよ」
麗奈の弟が屈んで父親に声をかける。
彼女の父親には心電図モニターがつけられていた。
医師が父親の瞳孔を確認しながら看護師に指示をする。
口につけられていた管が看護師によって取られ、点滴も外された。
もう……治療しても駄目という事か。
それにしても、麗奈の父親の姿は見ていて痛々しかった。
麗奈は緊張した面持ちで何もしゃべらず、カツカツという彼女のヒールの音がただ廊下に響く。
彼女の父親の病室はICUでも個室でもなく四人部屋だった。
扉は開かれたままで、窓側のベッドの脇に麗奈の弟が立っていた。
俺達の姿に気づくと、彼は俺に向かって軽く会釈する。
「俊さん、会社もあるのにすみません。姉を連れて来てくれてありがとうございます。父さん、姉さんが来たよ」
麗奈の弟が屈んで父親に声をかける。
彼女の父親には心電図モニターがつけられていた。
医師が父親の瞳孔を確認しながら看護師に指示をする。
口につけられていた管が看護師によって取られ、点滴も外された。
もう……治療しても駄目という事か。
それにしても、麗奈の父親の姿は見ていて痛々しかった。