腹黒王子の取扱説明書
きっと彼なら小学生の女の子にだって素敵な言葉を言うだろう。

自分だけではないのだ。

勘違いなんてしない。

ある意味、今の専務はホストみたい。

「ナナちゃんはこの仕事長いの?」

シャンパンを口に運ぶと、専務が私の顔を見ながら聞いてきた。

「どう思います?ところで、お名前、伺ってもいいですか?」

私は質問に質問で返し、にっこり微笑む。

「ああ、ごめんね」

専務はスーツの胸ポケットから名刺を取り出し、私に手渡す。

私はいつものように名刺の名前を読み上げた。

「長谷部俊。格好いい名前ですね。それにあの有名なハセベの専務なんて凄い!」

私は作り笑いを浮かべる。

ちょっと大袈裟に言いすぎただろうか?

「長谷部さんは、おいくつなんですか?」
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