腹黒王子の取扱説明書
……そこ、少しは反対しましょうよ。
普通……家柄が違うとか……政略結婚とか……いろいろあるでしょう?
お願いですから、そんな簡単に認めないで下さい。
「今年の秋がよければ、式は内輪で挙げて、来年の六月に披露宴でもいいんだよ。杏子も結婚する気はなさそうだし、麗奈ちゃんに期待してるんだよ。来年には孫を抱けるかな?」
社長が期待の眼差しを私に向ける。
彼の言葉に私は青ざめた。
……孫‼
そもそも俊とは恋人でもないのに、なんでそうなる?
会って二ヶ月も経ってないのに……。
……社長はすごくご機嫌だし、俊の冗談です……何て今はとても言えない雰囲気だ。
「あ、あのう社長、その件は専務と相談します」
俊をとっちめて、彼の口から訂正させます。
私は必死に怒りを抑え、作り笑いをする。
「あいつに決めさせると明日とか言うかもしれないぞ。二人でよく相談するといい。私は麗奈ちゃんの味方だよ」
社長はにっこり微笑むと、秘書室を出ていった。
普通……家柄が違うとか……政略結婚とか……いろいろあるでしょう?
お願いですから、そんな簡単に認めないで下さい。
「今年の秋がよければ、式は内輪で挙げて、来年の六月に披露宴でもいいんだよ。杏子も結婚する気はなさそうだし、麗奈ちゃんに期待してるんだよ。来年には孫を抱けるかな?」
社長が期待の眼差しを私に向ける。
彼の言葉に私は青ざめた。
……孫‼
そもそも俊とは恋人でもないのに、なんでそうなる?
会って二ヶ月も経ってないのに……。
……社長はすごくご機嫌だし、俊の冗談です……何て今はとても言えない雰囲気だ。
「あ、あのう社長、その件は専務と相談します」
俊をとっちめて、彼の口から訂正させます。
私は必死に怒りを抑え、作り笑いをする。
「あいつに決めさせると明日とか言うかもしれないぞ。二人でよく相談するといい。私は麗奈ちゃんの味方だよ」
社長はにっこり微笑むと、秘書室を出ていった。