腹黒王子の取扱説明書
「まだ抵抗するの?うちにも慣れたでしょ?俺がアメリカから戻ったら一緒に新しいベッド買いに行こうか?もっと大きいの?」

麗奈の目を見ながら悪戯っぽく笑う。

「……仕事中ですよ。悪ふざけはそこまでです。そもそもそういう関係じゃないでしょう?」

「麗奈の心の準備が出来るの待ってるんだよ。これでもいい子にしてるんだけどな」

「一生待っても無駄です。いい加減他当たったらどうですか?そもそも何で私なんです?専務ならもっといい女が寄ってくると思いますよ」

「好きになるのに理由なんている?」

「私が夜のバイトしてた時は軽蔑の眼差しで見てたくせに……」

麗奈がすねるように言って、俺から視線を外す。

だが、俺は椅子から立ち上がると、彼女に近づいて顔を上げさせ、彼女と目を合わせた。

ここで誤魔化すと麗奈はまた逃げる。

本心を言わないと……。
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