腹黒王子の取扱説明書
会社の前で降ろしてもらうと海里が言った。
「仕事が終わったら連絡して」
「……本当に大丈夫なのに」
「何かあってからじゃ遅いんだよ。勝手に一人で帰らないでよ」
「……わかった」
仏頂面で返事をして、海里の顔を見ずに会社に入る。
秘書室に入って自席につくと、いつものようにパソコンを立ち上げてお茶の準備をした。
杏子や美月ちゃんも出勤してきて三人でワイワイ言いながら朝の準備をする。
いつもと違うのは、今日から俊がいないので朝の申し送りがないこと。
杏子や美月ちゃんが申し送りのため席を外すと、一人残されて逆に落ち着かなくなった。
溜まったメールを処理しながらも、俊の事が頭から離れない。
いつもの俊とのたわいもないやり取りを思い出す。
十一時頃、【これから搭乗。そっちは変わりない?】と、俊からメールが入った。
「仕事が終わったら連絡して」
「……本当に大丈夫なのに」
「何かあってからじゃ遅いんだよ。勝手に一人で帰らないでよ」
「……わかった」
仏頂面で返事をして、海里の顔を見ずに会社に入る。
秘書室に入って自席につくと、いつものようにパソコンを立ち上げてお茶の準備をした。
杏子や美月ちゃんも出勤してきて三人でワイワイ言いながら朝の準備をする。
いつもと違うのは、今日から俊がいないので朝の申し送りがないこと。
杏子や美月ちゃんが申し送りのため席を外すと、一人残されて逆に落ち着かなくなった。
溜まったメールを処理しながらも、俊の事が頭から離れない。
いつもの俊とのたわいもないやり取りを思い出す。
十一時頃、【これから搭乗。そっちは変わりない?】と、俊からメールが入った。