腹黒王子の取扱説明書
「お前は高見の見物か?」

「種は蒔いた。いざという時は助けるけど、お前の交渉力に期待しているよ」

「……持ち上げるような事言ってるが、何もしないって事だろうが」

須崎がポツリと呟く。

「何か言ったかな?もう一度言ったら 、帰りの飛行機エコノミーになるから」

図体がデカイこいつにとっては、エコノミークラスは拷問に等しい。

「……げ。それは勘弁」

須崎が顔を歪め、ぎょっとした目になる。

「俺は俺でアメリカ政府にロビー活動する。何なら代わろうか?」

俺は意地悪く微笑む。

「俺にまだパイプないの知ってるだろ?性格悪いぞ」

「自覚してるよ。俺は一本電話をかけてから行くから、お前は先に行って俺の分も荷物受け取っておいてくれる?」
< 243 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop