腹黒王子の取扱説明書
21、伝えたい想い ー 麗奈side
俊からの電話を切った後、彼に言われた通り少しブランデーを飲んですぐにベッドに入る。

側に俊がいないのに、彼に優しく包まれているような感じがするのはなぜだろう。

俊に守られてる……そんな気がする。

ベッドに入ってもあんなに不安で眠れなかったのに……。

俊の声を聞いただけでホッとした。

爽やか王子だろうが、腹黒王子だろうが……根本的に彼は優しい。

今はそれが良くわかる。

さっきだって、ニューヨークに着いたばかりなのに、私の事を心配して電話をくれたのだ。

俊に「好きだよ」って言われて、胸がきゅんとなった。

彼は私に大事なものをくれた。

お金でも、宝石でもない。

それは……俊の心。

彼の声には彼の想いがつまっていた。
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