腹黒王子の取扱説明書
ずっと自分には彼はもったいないって思ってた。

住む世界が違うって。

でも……さっき俊に好きと言われて目が覚めた。

俊は誰にも譲れない。

それくらい彼が好きだ。

それくらい彼が欲しい。

それにしても一週間は長い。

一週間なんてすぐに経つと思ってたのに。

一分、一秒が長く感じて、気付けばいつも時計を見ている。

カレンダーを見て俊が帰国する日を指折り数えた。

こんなに彼の事で頭が一杯になるなんて……彼がかけた魔法の威力はすごい。

俊は有給を取ったらと勧めてくれたけど、結局有給は取らずに会社に毎日出勤した。

「今日のお弁当何でしょうね?」

美月ちゃんが郵便物を仕分けしていた手を止め、瞳を輝かせる。

「今日も来るとは限らないよ」

私は苦笑した。
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