腹黒王子の取扱説明書
「俺の分の仕事は完璧に済ませた。誰にも文句は言わせないけど」

目を細めながら冷ややかに亮を見据える。

「……お前って、はまるとすごいのな。結婚したら速攻で家に帰りそう」

「それも良いかもね」

俺はフッと微笑する。

自分の心が満たされる感じがする。

一人でいるより、彼女と一緒にいる方が自然になってきている。

心が温かくなって、自分に余裕が出来たような……。

これが……幸せと言うんだろうか。

他の誰にも俺達の邪魔はさせない。

麗奈が承諾すれば、すぐに籍だけでも入れるか?

「……今、婚姻届用意しようって思っただろ?なんか、お前の考えが読めるぞ」

「よくわかったね」

俺が素直に認めると、亮は若干引いていた。

「お前……怖いわ」

怖くて結構。
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