腹黒王子の取扱説明書
3、キスの味 ー 麗奈side
「う~ん」
寝返りを打つと、何か温かいものにぶつかった。
抱き枕ってこんなだったっけ?
なんか人肌みたいな……。
ぎゅっとそれを抱き締めると、優しく抱き締め返された。
このまま……また悪夢も見ずにぐっすり眠れるだろうか。
眠りだけは私に優しくしてくれるだろうか。
お金の事も、仕事の事も、将来の事も全部忘れたい。
今だけでも……。
起きたらまた嫌な一日が始まる。
現実から逃げられたらどんなにいいだろう。
自分だけが不幸なわけじゃない。
私より不幸な人は一杯いる。
それは、わかっている。
でも、自分の不幸を呪わずにはいられない。
父があんな風に倒れなければ……私は普通のOLでいられたのに。
寝返りを打つと、何か温かいものにぶつかった。
抱き枕ってこんなだったっけ?
なんか人肌みたいな……。
ぎゅっとそれを抱き締めると、優しく抱き締め返された。
このまま……また悪夢も見ずにぐっすり眠れるだろうか。
眠りだけは私に優しくしてくれるだろうか。
お金の事も、仕事の事も、将来の事も全部忘れたい。
今だけでも……。
起きたらまた嫌な一日が始まる。
現実から逃げられたらどんなにいいだろう。
自分だけが不幸なわけじゃない。
私より不幸な人は一杯いる。
それは、わかっている。
でも、自分の不幸を呪わずにはいられない。
父があんな風に倒れなければ……私は普通のOLでいられたのに。