腹黒王子の取扱説明書
「まあまあ、そう言うな。麗奈ちゃんが心配だったんだよ」

親父がニコニコしながら悪びれずに言う。

親父の後ろには、ジュピターの社長がいた。

こちらも人の良さそうな笑顔を浮かべているが、この人は親父と同様に隙がなくてなかなかしたたかだ。

「やあ、久しぶりだね。うちの者が君を怖がらせるような真似をして本当にすまない」

ジュピターの社長が麗奈に向かって謝る。

すると、彼女は目を丸くし、声を上げて言った。

「……ジュピターの社長?」
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