腹黒王子の取扱説明書
あんなバイトをしてればそう誤解されても仕方ないけど……。

専務が起き上がってベッドを出る。

上半身裸だったので、下も履いてないのかと一瞬焦ったけどルームウェアらしきズボンを履いていた。

じゃあ、私は?

恐る恐るシーツの下をのぞくと下着姿だった。

何で下着姿なの?

自分が服を脱いだ記憶もない。

ひょっとして専務が脱がした?

それに、ここはどこ?

白を基調としたシンプルだけど品のある部屋。

ここは……専務の家だろうか?

昨日私が着ていたピンクのドレスが綺麗にハンガーにかけてあった。

専務はサイドテーブルの上に置いてあった財布に手を伸ばす。

何をするの?

首を傾げながら見ていると専務が財布から万札を抜き出し、私に向かって投げた。
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