腹黒王子の取扱説明書
「人前で着替えるのなんて慣れてるんじゃないの?どうして今さら恥ずかしい振りするの?」

専務が面白そうに私を見る。

「私は男の人と寝たことなんてありません!」

私が声を荒げると、専務がベッドに近づいて私の顎を掴んだ。

「処女って言うわけ?それって、僕を誘ってるのかな?」

氷のような冷たい目で、専務が私を見る。

「勘違いしないで下さい!あなたなんて死んでも誘いません!」

「じゃあ、君の身体に聞いてみようか?」

専務の瞳が妖しく光る。

「何を…‼」

専務の顔が近づいてきて、私の唇に触れる。

私は目を見開いたまま驚愕に震えた。

私を罰するような冷たいその唇。

どうしてこんな事……。

「女の子は目を閉じないと。それとも、うぶな振りしてるの?」

専務が意地悪くクスクス笑って、私から離れる。
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