腹黒王子の取扱説明書
子羊って私?

それに、総務部長呼べって……いよいよ首?

身の危険を感じて専務の腕の中で暴れようとすると、彼に睨まれた。

「須崎の言ったことをいちいち真に受けない。弱ってる女襲うほど、女に困ってないよ。運びにくいから、僕の首につかまっててくれる?」

「でも……」

私が躊躇っていると、専務がまた溜め息をついた。

「まだ一人で歩く気?そんな元気ないでしょう?」

私は力なく首を振る。

「……私の血で専務が汚れちゃうから……」

「少しは自分の身体の心配したら?ほら、僕の首につかまって、目閉じて」

専務が少し呆れたような顔で私を見る。

多分、彼は私にイライラしている。
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