腹黒王子の取扱説明書
泥酔した彼女を家に連れ帰り、ドレスを脱がせて寝室のベッドに寝かせる。
服に染み付いたタバコの臭いが気になってシャワーを浴びて寝室に戻ると、中山麗奈は小さな子供のように膝を抱えるようにして眠っていた。
そんな彼女を無理矢理起こして抱く気にはなれず、彼女の隣に身を横たえる。
だが、なかなか眠れなかった。
彼女が身じろぎして、無意識に俺に抱きつく。
何かにすがるようなそんな彼女の腕を振りほどけるわけもなく、自分でもわからないが俺は彼女を抱き締めた。
すると、彼女はホッとした表情を見せた。
「私の分も幸せになって……」
彼女の寝言が俺の心を捕らえる。
誰に対しての言葉なのだろう?
そんな事をぼんやり考えていると、彼女の頬を涙が伝った。
とても綺麗な涙だった。
まるで人魚の涙だな。
俺は彼女の涙を親指の腹で拭った。
服に染み付いたタバコの臭いが気になってシャワーを浴びて寝室に戻ると、中山麗奈は小さな子供のように膝を抱えるようにして眠っていた。
そんな彼女を無理矢理起こして抱く気にはなれず、彼女の隣に身を横たえる。
だが、なかなか眠れなかった。
彼女が身じろぎして、無意識に俺に抱きつく。
何かにすがるようなそんな彼女の腕を振りほどけるわけもなく、自分でもわからないが俺は彼女を抱き締めた。
すると、彼女はホッとした表情を見せた。
「私の分も幸せになって……」
彼女の寝言が俺の心を捕らえる。
誰に対しての言葉なのだろう?
そんな事をぼんやり考えていると、彼女の頬を涙が伝った。
とても綺麗な涙だった。
まるで人魚の涙だな。
俺は彼女の涙を親指の腹で拭った。