また、君を笑わせよう
よく見ると、そいつは変わった着物を着ていた。



(なんか怪しいけど、礼は言わないと。)



「助けてくれて、ありがとう。」



「 礼を言われるほどのことはしてないよ。」



「でも見ず知らずの俺を助けてくれたんだから礼をするのは、うわ!」



言い返そうとしたらわしゃわしゃと、頭を撫でられた。



「殺されそうになってる奴を放っておけるわけないだろ?とにかく怪我がなくてよかったな!」



顔を上げると、そいつはにししと笑っていた。



そっか、俺、助けてもらってなかったら今頃死んでたんだよな。
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