また、君を笑わせよう
「ええいこの俺に難癖つけようってのか!」



「そんな!ただあなた様の払った金額が足りんかったと、申し上げただけやないですか!」



「庶民の分際で歯向かう気か!叩き斬ってやろう!」



男が刀に手をかけ、今まさに店主を斬ろうとしている。



(長引いても面倒だな、ここは穏便に止めますか。名付けて“悟りを開いている修行僧のふり”。)



人混みをかきわけ、男の前に立つ。



「お止めなさい。無益な殺生はいけませんよ。」



「な、なんだ貴様!」
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