また、君を笑わせよう

突然現れた俺に驚いたのか、男は一歩後ずさった。



「私は通りすがりの修行僧でございます。少々この店主に用がありますので、揉め事は後にしてください。」



刀を持った男に堂々と無防備の修行僧が文句を言うもんだから、周りの野次馬は唖然としている。



「常紋さんの代わりに品物を受け取りに来ました。」



そんなの御構い無しに俺は店主に話しかける。



「…はっ！常紋様のお弟子さんでしたか！今すぐにお持ちしてきやす。」



我に返った店主はいそいそと店の中に入り、手に風呂敷を持って出てきた。



「これがご注文された品物どす。」