また、君を笑わせよう
だがその青年は俺に気づいたら、



「お前、あの時の…」



と呟いた。



「えっ?俺のこと?」



顔は隠れていて見えないが、なんか聞いたことのある声だ。



「いえ、なんでもありません。お気になさらず。」



思い出す前に青年は小さくお辞儀をし、人混みに紛れ込んでしまった。



お辞儀をした際に、一瞬だけ目の下にある傷が見えた。



気になり、目で追ったが見失う。



ん?目の下に傷?聞き覚えのある声?……
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