また、君を笑わせよう
俺の反論は低い声でかき消され、あいつは男の鳩尾を殴った。



息を呑む。浪士を気絶させていくあいつは、初めて会ったときと変わらない。


「お前がいけば巻き込まれるだけだ。終わるのを待とう。」



左之さんの言う通り、あいつに近づけば俺まで被害に遭う。



最後の一人が倒れた。



「終わった…」



あいつは落ちた笠を拾い、顔をあげる。



だが俺たちを見つけると、ピキッと音を立てて固まってしまっ。
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