モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
教室に戻るなり葉月たちに質問攻めされたあたしは全てを吐き出すことになった。
もちろん、キスのことも。
みんなキャーキャー騒いでうるさくて、これ以上は恥ずかしいからやめたかったのにガールズトークは止まらず、最終的には先生に注意されてこの話は一旦終わった。
「で?で?付き合うの?」
放課後になり、バイトない組だけで教室に残ると再び尋問が始まった。
「そういうの一切話さないまま来ちゃったから…」
「桃は好きって言ったんでしょ?向こうは?ひーくんの方はなにか言ってこなかったの?」
「そういえば……なにも言われてない」
「それははっきりさせないと!だって簡単にキスするような人じゃないんでしょ?」
葉月のその言葉にすぐに返事ができなかったのには理由がある。
あたしが小学生でひーくんが中学生のときの話。
ひーくんは誰にでも「キレイになったね」って言えるような人だった。