モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「俺は別にお前みたいに闇を抱えてるわけじゃないから、い、い、の」
「ここでその話出してくんな、関係ねぇだろ」
「いや関係ありありだろ!元はと言えばその闇がトラウマで恋愛できねぇんじゃねぇかよ」
「しようと思わねぇからいいんだよ」
英二は高校に入って最初に仲良くなったやつで、たぶん1番一緒にいる。
他人に自分の話をすることはあまりしないけど、英二には何故か分からないけど話してしまう。
俺の捻くれたこの性格の根源を知ってるのも英二だけだ。
「桃ちゃんは知らねぇの?お前が何で恋愛できねぇのか」
「知らねぇよ。つーか話す必要ねぇだろ」
「あー、まただよ。そうやって最初に壁作ってんから本音でぶつかれねぇんだろ」
英二のうんざりしたような言い方にイラっとして、自然と舌打ちした。
確かに英二の言う通り、俺は誰かと本音で語り合ったこともぶつかったこともない。
唯一本音を話せるのは英二で、居心地が良いのは桃。
これは言い切れる。