モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
後ろを振り返ると、そこには太陽くんがいて、あたしの肩をがっしりと掴んで体を支えていてくれた。
「桃ちゃんっ、大丈夫?!」
「あ、うんっ。ありがとう」
その瞬間に周りがざわつき始めて、女の子たちの悲鳴が聞こえた気がした。
太陽くんは相当焦ったのか、あたしを起き上がらせたあとも手首を掴んで離さなかった。
「あー…、ほんっと焦ったよ。話しに来てみたらいきなりこっちに倒れてくるんだもん」
「ははっ、ごめんね?たぶんいきなり立ったから頭がクラっときちゃったんだと思う」
「それだけならいいんだけどさ……」
手首を掴まれてるあたしに刺さる視線が痛い。
そりゃそうだ。
イケメンで大人気の太陽くんがこんな目立つことやっちゃうんだもん。
でも助かった。
太陽くんがいなかったら床に倒れてたかもしれない。
本当にこの人は完璧だなぁってつくづく思う。