モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
ひーくんはきっとこんな子どもみたいに泣きじゃくるあたしを見て恥ずかしく思ってるのかもしれない。
さっきから返事もなければ反応もない。
別に何かを求めてるわけじゃないけど、せめて聞いてることだけは確認したい。
……じゃないと、心が今にも折れそうだ……。
「ひーくんにとっては、関係の、ないことかも、しれないけどっ……ほんとに、あたし、太陽くんとは付き合ってないよっ……、」
「あぁ」
「キスは、されちゃった、けど、あたしが好きなのはっ、ひーくんだけだよっ……」
「キス?あぁ、あれか」
「ふぇ……?」
ひーくんの声がいきなり低くなるからびっくりして、思わず手をどけてひーくんの顔を見た。
そこにはなぜか不機嫌そうなひーくん。
「キスされたんだ?」
返事としてあたしは小さく頷いた。
すると、ひーくんは舌打ちをして更に機嫌悪そうに首のあたりを手で押さえてこっちを真っ直ぐ見つめてきた。
透き通る茶色の瞳。
何もかも見透かされてるような気がした。