モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「あのね、話があるの……」
「話?じゃあ、隣行こうかっ」
あたしと太陽くんは隣の教室へと移動した。
突然こんなことを言っちゃったのにも関わらず、太陽くんはそれ以上深く聞いてこない。
……こんな時まで、この人は優しい。
でもその優しさが余計にあたしの胸を痛くした。
太陽くんは窓側の1番後ろにある机の上に座り、まだ入り口の近くにいるあたしの方を見て………ニコッと笑った。
まるで、これからあたしが話すことを分かってるかのように……。
「話って?」
「あ、うん……」
「あ、もしかして、さっきの告白のこと?そのことだったら、本当にゆっくり考えてくれればいいから!夏休み終わるまでは俺待ってるから!」
「……」
いつも以上に明るく振る舞う太陽くんを見て、あたしは胸の奥が締め付けられた。
ただただあたしを好きでいてくれた人。
優しさを伝えてくれた人。
こんな人……きっと他にはいない。